近年、海外進出を検討する企業が増加している。進出先としては様々な国が候補に挙げられるが、今回はインドネシアにスポットを当てる。豊かな自然や伝統的建築物のイメージが強い東南アジアの島国は、新たな市場としての可能性を秘めているのか。
企業が海外進出を検討する背景
企業が海外進出を検討する背景には、コロナ禍の終結や円安が続いていること、人口減による新規販路の獲得などがある。大企業の海外進出方針においては、海外拠点を持つ持たない関係なく進出規模の拡大や新規進出を検討する割合は上がっており、関心の高さが伺える。
そして、企業が海外進出先を選定する際に最も重視することは「市場規模の成長性」だ。インドネシアにおける市場規模の成長性はどうだろうか。
インドネシアの現状
インドネシアはその位置からアジア市場への玄関口となっている。目覚ましい経済成長を遂げており、いまや世界有数の経済大国だ。
人口は現在約2.7億人。世界で4番目に人口が多い国であり、その多くを30歳以下の若者が占めている。この若く活気ある土壌が、消費と技術革新の両面から様々な分野の企業に利益をもたらしている。市場規模の成長性は高いと言えるだろう。
また、親日度が高い国としても有名であり、日本語学習者は中国に次いで世界で2番目に多いと言われている。コミュニケーションの取りやすさは海外進出においても有利となるに違いない。
さらに、近年の経済政策により格段にビジネスがしやすくなったことで、海外の投資家から注目を集めている。インドネシアの名目GDPは1.7兆米ドルを突破し、購買力平価GDPでは世界第7位にランクイン。成長率においては前年比4パーセント以上、2023年から2024年の1年間では5.11パーセントを記録している。
インフレ率も4パーセント未満で安定すると予測されている。
海外進出先として、インドネシアは非常に大きなポテンシャルを秘めていると言える。ただ、同様の考えを持ちインドネシアに狙いを定めるライバルは少なくない。競争で一歩リードする為には、インドネシアについて理解を深めた上で綿密な戦略を練る必要があるだろう。