フィリピン経済は成長が目覚ましい。ライフスタイルの変化や流行に敏感な若年層の存在が、さまざまな製品の需要に繋がっている。現地の消費者はどのような製品を求め、どのような手段で買い物するのか。
フィリピンの消費者トレンド
フィリピンのトレンドやニーズは、社会事情や文化に大きく影響されている。同国では家族単位の消費がメインだ。消費者はSNSの情報に敏感で、口コミを重視する傾向がある。また品質や利便性の高い製品を好み、手軽に素早く買い物したがる人が多い。
消費者は基本的に国産品を支持しているが、価格に見合った価値があると判断すれば海外製品を選ぶ場合もあるため、高品質の製品を安価で提供することが重要だ。
また彼らの地球環境への意識は高まっており、持続可能な製品にも注目が集まっている。
需要が高まっている製品
フィリピンの消費者支出の大半は日用品や生活必需品で、その大部分を食料品が占める。人々の価値観やライフスタイルの変化により、オーガニック食品や調理済みの食品、個包装製品が販売好調だ。
パーソナルケア製品も売上が伸びている。特にスキンケアやヘアケア用品の需要が高い。アンチエイジングなど、部分的な悩みに特化した製品も注目を集めている。
また清掃用品や洗濯用洗剤、アルコール飲料やペット用品も需要は堅調だ。スマートキッチンや健康状態を管理できる端末も人気が高まっている。
また、同国ではホームケア用品市場が拡大している。しかしながら現在は日本以外の海外製品が優勢だ。それでも市場規模と成長度合いを考慮すると、日本企業が成功を収める可能性は大いにある。
急速に普及するオンライン販売
フィリピンではオンライン販売が急速に普及している。特に電子機器が売れ行き好調だ。多くの人々がモバイル端末でインターネットを利用していることが、電子機器の需要を高めているようだ。
消費者は買い物する際、広告やSNSなどで製品を吟味する。ECサイトは幅広い製品を安価で販売することで彼らのニーズに応えている。海外の製品も簡単に購入できるため、ガジェットや流行のファッションに敏感な若者たちから人気が高い。
働き方の変化に伴いテレワーク用の家具などの需要も拡大している。一方、食料品やパーソナルケア製品は現在も実店舗で購入されることが多い。
日本とフィリピンの関係
フィリピンと日本は約70年間にわたってさまざまな場面で協力し、友好的な関係を築いてきた。日本は同国の経済発展のため、交通インフラ整備をはじめ幅広い分野で支援を続けている。また両国は安全保障面においても良きパートナーとして関係性を深めてきた。
現在、日本企業はフィリピン経済に可能性を見出し多額の投資を行っている。同国では再生可能エネルギーや鉄道インフラなど、多くの分野で成長が期待できる。政府も外国からの投資に積極的だ。税制優遇措置を強化し、海外企業がさらに投資しやすい仕組みづくりを進めている。
フィリピンで愛される日本製品
高い品質と技術が持ち味の日本製品は、フィリピンでも大変人気だ。今後もスマートフォンなどデジタル機器の安定した需要が見込まれており、商機が期待できるだろう。
パーソナルケア製品においても、細やかなこだわりや科学的根拠に基づいた効果が期待できる日本製品は人気が高い。日本の食品や飲料品も、品質と費用対効果の高さで消費者の支持を集めている。
同国で日本のサブカル文化や料理などが深く親しまれていることも日本製品が好まれる理由の一つだろう。
また、フィリピンに暮らしながら日本製品を気軽に購入できる環境も、人気を後押ししているようだ。現地には日本製品を取り揃える店がいくつもあり、食品から玩具まで購入可能である。
フィリピンに進出した日本企業と、小規模業者向けの販売手段
フィリピンには日本の小売企業が多く進出している。セブンイレブンは現地の人々の生活に深く根差し、2023年にコンビニエンスストア首位の座を獲得した。ダイソーやファミリーマートも現地企業と提携し、規模を拡大中だ。ユニクロや無印良品も現地に店舗を構え、知名度を着実に高めている。
もちろん、小規模な業者にも製品を販売する手段がある。Buy & Shipを使えば、サイトで購入した日本製品をフィリピンに直送できる。メルカリや楽天も購入後の配送まで対応可能だ。輸入業者や流通業者の力を借りて市場参入するのも良いだろう。
成長と変化の目覚ましいフィリピン市場では、新たな商機が期待できる。また現地の消費者にとって日本製品は身近な存在で、政府の優遇措置もある。海外進出先として具体的に検討しやすいのではないだろうか。