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VIETNAM

(3)ベトナム市場で成功を収める日本企業|2025年2月18日開催ウェビナー

ベトナム市場は大きな可能性を秘める一方で競争が激しい。しかし多くの日本企業が成功を収め、幅広い種類の日本製品が流通している。現地の消費者が日本ブランドを支持する背景には一体何があるのか。

競争が激しい市場における成功と課題

日本とベトナムはお互いを重要なパートナーと認識している。日本はベトナムのインフラや製造業などに多額の投資を行い、教育や医療などの分野でも積極的に支援している。

一方ベトナムにとって日本は最大の貿易相手国の一つだ。また、日本の人手不足の業界では多くのベトナム人労働者が活躍している。

多くの日本企業が成功した背景には、この二国の深い関係性による市場参入のし易さがある。また消費者のニーズが高い品質と信頼性を誇る日本製品とマッチしていることや、Eコマースの進歩による影響も大きい。

考慮すべき課題もある。まずは競合との差別化や流通網の構築が重要だ。トランプ新政権の動向も注視すべきである。ベトナムは米国と協定を結んでいるためトランプ関税の影響が日本にも及ぶ可能性があるからだ。

課題は多いが、日本製品の強みを活かせば成功を収めることは十分可能だろう。

日本製という強みと成長が期待できるベトナム市場

日本製は消費者からの人気が非常に高い。Shopeeでは、検索キーワードの約2割を日本ブランドが占める。原産地は消費者が製品を選ぶ際に重視する要素の一つだ。若い世代の間では特に日本製の電子機器などが好まれている。

ベトナム市場は今後数年で急成長すると予想され、イオンなど多くの企業が投資を続けている。2022年には、同国で事業拡大を計画する日本企業が5割を超えた。フジマートやサクコなどは店舗を増やす計画を立てている。

ベトナムでは幅広い日本製品が入手可能

ベトナムでは自動車や食品など幅広い日本製品を購入できるが、その多くは現地生産される傾向にある。

コスト削減やサプライチェーンの安定化などが望めるからだ。また、現地に拠点があれば消費者のニーズを素早く事業に反映できるため、製造拠点や流通網を持つ現地企業との連携は非常に有効だ。

一方、テレビなどの家電製品は輸入が主流だ。信頼性や品質維持などでメリットが大きいからである。ファッションや家庭用品においては輸入と現地生産を併用する場合が多い。

無論、現地生産するためには設備や人件費などに多額の投資が必要だ。生産場所を検討する際には事業規模やどの程度の売上が見込まれるかも考慮すべきだろう。

ベトナム小売市場はライバルが非常に多い。現地の老舗企業や価格競争力が高い海外製品と競合することになるだろう。

同国の消費者は価格にシビアで、高級品よりも手頃な価格の製品を選ぶ傾向がある。日本製品は品質などで優秀だが、価格面では現地や他国製品に負けてしまう場合も多い。また製品の供給や価格を安定させるためにサプライチェーンの効率化も必須だ。

日本製品の強みを活かしつつ、現地の事情や消費者のニーズを考慮した戦略を練るべきだろう。

小規模事業者でも製品を届ける手段がある

海外進出せずともベトナム市場に製品を届ける手段はある。例えば、コーナンなどの日本製品を販売する店舗やつなぐジャパンなどのオンラインサービスに取扱いを依頼したり、輸入業者や販売業者と提携したりすることが可能だ。まずは彼らの力を借りて製品販売を検討してみてはどうだろうか。

日本製品の信頼性や品質が高さは、競争が激しいベトナム市場で強みになることは間違いない。良い部分は活かしつつ、現地の人々の生活や嗜好を研究しスピード感をもって事業に反映させる姿勢こそが、成功のためには重要だと言えるだろう。